llms.txtの書き方 —仕様・実例・効果測定
llms.txtの書き方を、提案仕様に沿った構成、自社サイトの実例、robots.txtとの違い、公開後の効果測定まで解説。Google検索には使われないという限界も整理します。
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llms.txtの書き方は、サイト直下に1ファイルを置き、1つのH1、短い要約、主要URLをMarkdownで記載します。H1以外は提案仕様上すべて任意です。編集部では初版を3〜10件から始め、運営主体、提供内容、優先して読んでほしいページまで書くことを目安にしています。
ただし、llms.txtを置けばAIの回答に必ず引用されるわけではありません。llms.txtはアクセスを許可する設定でも、引用順位を指定する命令でもないからです。2026年7月時点では、LLMがWebサイトの重要情報へたどり着きやすくするための提案仕様として扱うのが正確です。
llms.txtの書き方は提案仕様の順序から考える
llms.txtの提案仕様は、通常はWebサイトのルートパスに/llms.txtを置き、必要に応じてサブパスにも設置できるとしています。LLMが推論時に使いやすい概要とリンクをMarkdownで渡す提案で、IETFのRFCやW3C勧告として成立した標準ではありません。
必須なのはサイト名またはプロジェクト名を示すH1だけです。その後にblockquoteの要約、見出しを使わない補足、H2ごとのリンク一覧を続けられます。リンク先の役割はコロン以降に添えられます。
## Optionalは、コンテキストを短くするときに省略できる資料の領域です。会社情報、サービス、料金、一次資料は通常のH2に置き、周辺資料だけをOptionalへ分けます。
3〜10件という数は仕様値ではなく、当編集部が最初の版を小さく保つために置いた目安です。全URLを機械的に並べると、何を優先するかという編集判断が消えます。全公開URLの発見を助けるsitemap.xmlと、重要情報を選ぶllms.txtは役割が違います。
なお、Googleは生成AI検索向け最適化ガイドで、Google検索はllms.txtを使わず、設置しても可視性やランキングを助けも害もしないと明記しています。llms.txtはGoogle検索の掲載施策ではなく、この提案を採用する別のサービスやツールに向けた補助資料として位置づけます。
llms.txtとrobots.txtは目的も仕様も違う
llms.txtは「AIクローラーを許可するファイル」ではありません。クローラーがどのURIへアクセスしてよいかを伝える仕組みはrobots.txtです。RFC 9309はRobots Exclusion Protocolと、User-agent、Allow、Disallowの解釈を定めています。
robots.txtも認証や秘密情報の保護機能ではありません。非公開情報はログインなどで守ります。Google Search Centralの案内も、robots.txtは主にクロールの管理に使い、検索結果からページを隠す仕組みではないと説明しています。
llms.txtにはアクセス制御の規則がありません。公開情報への道筋を示す案内であり、掲載URLのクロール、学習利用、検索表示、引用を強制しません。機密URLは書かず、robots.txtとの整合も別に確認します。
実際、OpenAIの公式クローラー案内は、検索用のOAI-SearchBotと学習用のGPTBotをrobots.txtで個別に管理すると説明しています。llms.txtを公開していても、必要なクローラーをrobots.txtやWAFで遮断していれば、その公開だけでアクセス条件が変わるわけではありません。
LLMO対策(AIO対策)の全体像を考えるときも、クロール許可、内容の理解しやすさ、回答での引用、引用後の流入は分けて扱う必要があります。提案仕様が意図するllms.txtの役割は、採用するシステムに内容の理解と発見を補助することです。
llms.txtの実例は重要ページを選ぶところから始まる
コトム LLMO対策サイトでは、実際に/llms.txtを公開しています。サイト名と一文の要約に続けて、対応領域、提供範囲、料金、主要ページ、運営会社を記載しています。以下は構造を確認しやすいように短くした例です。
# コトム LLMO対策(AIO対策)
> 株式会社addingが提供するLLMO対策(AIO対策)サービスです。
## 主要ページ
- [LLMO対策サービス](https://llmo.cotomu.jp/): サービス内容、料金、FAQ、問い合わせ
- [会社情報](https://llmo.cotomu.jp/company): 運営会社と提供体制
## 運営
- [株式会社adding](https://www.adding.jp/): 運営会社
リンク名は「詳しくはこちら」ではなく、「実装パッケージの料金」「会社情報」のように役割を具体化します。ファイルだけを切り離して処理される可能性を考え、公開環境の絶対URLを使います。
ページにない説明をllms.txtだけへ追加するのも避けます。料金、会社名、提供範囲が公開ページと食い違えば、情報源として弱くなります。変更時は同じプルリクエストで更新します。
公開前の確認項目は4つに絞れます。
/llms.txtがHTTP 200で返り、文字化けせず読めること- H1が1つあり、要約とH2のリンク一覧が提案仕様の順序になっていること
- 掲載URLが一般公開され、HTTP 200を返すこと
- 料金、運営主体、サービス説明が各公開ページと一致すること
存在しない記事、公開前の下書き、将来追加する予定だけのURLは載せません。リンク切れは「情報を選んだ案内」への信頼を崩すため、記事の公開・非公開とllms.txtの内容を同期させます。
Next.jsでllms.txtを書き、更新漏れを防ぐ
Next.jsではpublic/llms.txtへ静的ファイルを置く方法と、App RouterのRoute Handlerで返す方法があります。内容がほとんど変わらない小規模サイトなら静的ファイルで足ります。料金や記事一覧を既存データから組み立てるなら、Route Handlerで生成したほうが二重管理を減らせます。
export const dynamic = "force-static";
export function GET() {
const body = [
"# サイト名",
"",
"> サイトの短い説明です。",
"",
"## 主要ページ",
"",
"- [サービス](https://example.com/): 提供内容と料金",
].join("\n");
return new Response(body, {
headers: { "Content-Type": "text/plain; charset=utf-8" },
});
}
本番ではサービス名や料金を表示ページと同じ値から生成し、記事一覧は公開判定を通過したものだけに限定します。
更新の起点は、主要記事の公開、料金改定、会社情報の変更、URLの廃止です。sitemap.xml、構造化データ、llms.txtを一緒に確認します。
llms.txtの効果測定は3段階に分ける
llms.txtの効果を、公開前後のAI引用数だけで判定するのは危険です。AIの回答はモデル、検索機能、質問文、時点によって変わり、引用の変化をllms.txtだけに帰属できないからです。技術的な配信、AI上の観測、事業成果の3段階に分けると、確認した事実と推測が混ざりません。
第1段階は配信確認です。/llms.txtが200を返すか、Content-Typeと文字コードが適切か、掲載リンクが生きているかを継続的に検査します。サーバーやCDNのログで/llms.txtへのリクエストも確認できます。ただし、User-Agentは偽装でき、取得ログだけでは内容が回答に使われたとは証明できません。
第2段階はAI回答の定点観測です。同じ質問文、同じ対象サービス、同じモデルまたは検索機能を記録し、回答に自社名が出たか、どのURLが参照されたか、説明が公開情報と一致したかを時系列で残します。LLMO・AIO・GEO・AEOの違いで整理しているとおり、用語よりも観測対象を固定することが実務では重要です。
第3段階は事業成果です。GA4などでchatgpt.comやperplexity.aiからの流入、問い合わせまでの行動を計測します。リンクがクリックされなければ参照元セッションにはなりません。AI回答で社名を知り、後から直接訪問した場合も参照元だけでは結び付けられないため、引用観測とアクセス解析を併用します。
公開前の基準値がなければ、公開後に増減を比較できません。llms.txtを出す前、公開直後、主要ページを更新した後で同じ観測を残すと、少なくとも「いつ、何を変え、何が起きたか」は追えます。因果関係を断定しない記録ほど、次の改善判断には使えます。
llms.txtの書き方で最後に決めるのは「何を載せないか」
llms.txtは、サイト全体を短く複製するファイルではありません。問い合わせに答えるうえで欠かせないページを選び、説明を一行で添え、公開情報と同時に保守する索引です。最初の版なら、サービス、会社情報、最重要の記事という3種類から始めれば十分です。
公開後は、ファイルが取得された回数より、案内先の情報が正しいかを先に見ます。料金が古い、リンクが切れている、運営主体がページごとに違う状態では、入口だけ整えても信頼できる回答材料になりません。
まず自社サイトの主要URLを3件だけ選び、当編集部の初版目安として、それぞれを20〜40字で説明してみてください。選べないURLが多いなら、llms.txtの文面より先に、サイトの情報設計を整理する余地があります。